早漏で困っている人は、たくさんいます。

早漏は、国際性機能学会のガイドラインでは、「挿入後1分以内に射精してしまうこと」、または「男女ともに満足できる時間まで挿入時間がコントロールできないこと」と定義されています1)。また、米国の泌尿器科学会のレポートで、18歳から59歳までの男性の21%が早漏であると報告されています2)。日本から出たレポートでは、日本国内の一般人に行われたインターネットアンケートでも、40%近くの男性は自分が早漏であると感じていることが報告されています3)。とても多くの人が、早漏で悩んでいることがわかります。

しかし、実は早漏は治療することができる病気であり、非常に有効な薬が存在します。今回は、それを紹介いたします。

世界で唯一の早漏専門の治療薬「ダポキセチン」

早漏に対しては、行動療法やカウンセリング、局所の麻酔薬などの治療方針があります。しかし、日本国内では、一般的に早漏が薬で治療できることは知られていません。その理由は、世界50か国以上で認可されている早漏専門の治療薬であるダポキセチンが、日本では認可されていないことが原因と考えられます。

ダポキセチンは、脳内で射精をコントロールすることができる神経伝達物質のセロトニンの作用を増強する効果があります。うつ病の治療薬である選択的セロトニン取り込み阻害薬(SSRI)と同様の作用を示しますが、ダポキセチンは一般的なうつ病の薬と比較すると効果の出現までの時間が1時間と非常に早く、副作用が少ないことが特徴です。まさに、「早漏専門の治療薬」なのです。

ダポキセチンの効果と安全性を示すデータとして、6000人を超えるランダム化比較試験(RCT)の研究があります4)RCTは、患者のプラセボ効果や研究者側の意思バイアスが入りづらいため、エビデンスに基づく医療では最も有効な研究手段です。実は早漏治療の研究でここまで大規模にRCTが行われているのは、ダポキセチンの研究しかありません。つまり、行動療法であるスクイーズ法やスタート&ストップ法(簡単に言うと、射精を我慢することを繰り返してトレーニングする方法)は、しっかりとしたエビデンスがないのです。

ダポキセチンは、早漏治療において医学的に最も信用することができる薬剤であることがわかっています。

ダポキセチンの特徴

ダポキセチンは、以下のような特徴があります。早漏の治療薬として非常に有効であることが分かります。

ダポキセチンの特徴
  1. 50か国以上にて承認されており、信用度が高い
  2. 代謝が早いために、服用後1時間で効果が出て、即効性があり、オンデマンド治療に最適
  3. 早漏の患者6,000人を超える研究で、挿入の時間を3~5倍に延長可能であり、有効性が示されている
  4. 吐き気などの副作用が起こるのは20%以下と低い

    当院におけるダポキセチンの使用状況

    当院は、早漏患者に対して、ダポキセチンもしくはうつ病の治療薬であるパキシルを処方しています。パキシルはダポキセチンと同じく選択的セロトニン取り込み阻害薬(SSRI)の1種であり、その副反応を用いて射精までの時間を延長させることが知られています。パキシルも、国際性機能学会のガイドラインで早漏の治療薬の選択肢の1つとして薦められています。

    我々のクリニックを受診された早漏患者のデータを、2023915日に開催された日本性機能学会第33回学術大会にて発表をしてきました。

    データを解析したところ、当院で早漏治療を受けた方の中で、ダポキセチンによる治療を受けた方は、他の治療法に比べてリピーターが非常に多いことが分かり、効果的な薬であることが示唆されました。また、副作用は吐き気などの軽度のものを認めたのみで、重篤な有害事象は認めませんでした。

    我々のクリニックのデータでは、日本人でもダポキセチンが非常に有効であることが示されたのです。

    早漏に悩んでいる人は、専門の治療薬を使ってみませんか?

    上記の通り、早漏の専門の治療薬であるダポキセチンは、非常に高い効果があり、副作用が少ないことが判明しています。「早漏は薬で治療することができる」という世界の常識が、日本国内でもより広く知られるべきであると考えています。

    早漏は、セックスを満足にできなくしてしまう「病気」なのです。

    もしも、あなたが早漏でお悩みでしたら、一度クリニックを受診してみませんか?

    そして、専門医の診察を受けて、治療薬をトライしてみませんか?

    オンライン診療でも処方は可能です。

    もしも、早漏でお悩みの方がいらっしゃれば、ぜひとも当院をご利用ください。

    早漏の治療について

    参考文献

    1)国際性機能学会早漏治療ガイドラインhttps://www.issm.info/publications/clinical-guidelines
    2) 米国泌尿器科学会射精障害治療ガイドラインhttps://www.auanet.org/guidelines-and-quality/guidelines/disorders-of-ejaculation
    3) テンガヘルスケア社 オナニー国勢調査 https://tengahealthcare.com/special/report/
    4)Premsant Sangkum, et al. Dapoxetine and the treatment of premature ejaculation. Transl Andorol Urol. 2013; 2: 301-311. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4708110/