日刊スポーツから取材を受け、性感染症について様々なお話をしました。
18日間に渡って掲載していただきましたので、順次ご紹介していきます。
早期発見、早期治療
性感染症に気をつけろ
日本は梅毒治療の「ガラパゴス」
感染者が急増している「梅毒」を中心として、性感染症の潜伏期間と症状を表にまとめた。
さて、梅毒の治療には抗生物質の「ペニシリン」が有効だ。
性感染症に詳しい「プライベートケアクリニック東京」名誉院長の尾上泰彦医師はこう話す。
「飲み薬のペニシリンは現在、品不足といわれていますが、第1期での内服期間は2~4週間、第2期では4~8週間の内服が必要です」
薬は治療開始から原因菌である梅毒トレポネーマを破壊。
その際、患者に特異的な反応が現われるという。
「ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応といって、梅毒の治療後に発熱や、湿疹が出たり、頭痛が起こることがあるのです。多くは一過性ですが、治療したにもかかわらず、調子が悪くなったと、驚いてしまう患者さんもいます」(尾上医師)。
そのため、あらかじめ説明を加え、解熱剤などを処方するという。
「梅毒の治療に関しては、日本はまさに“ガラパゴス”。世界的には“ベンザチンペニシリン筋肉注射”が標準なのです」(尾上医師)。
他の疾患ではクラミジアが抗生物質の服用、淋菌(りんきん)感染症では抗生物質の点滴もしくは注射、ヘルペスは原因であるウイルスに対する抗ウイルス薬の服用が基本となる。
(日刊スポーツより許可を得て掲載)