日刊スポーツから取材を受け、性感染症について様々なお話をしました。
18日間に渡って掲載していただきましたので、順次ご紹介していきます。

  『口は災いのもと』オーラルセックス  

早期発見、早期治療
性感染症に気をつけろ

「口は災いのもと」オーラルセックス

オーラルセックスによる咽頭感染が問題となっている。
性感染症に詳しい「プライベートケアクリニック東京」名誉院長の尾上泰彦医師はこう話す。

「オーラルセックスだけでも性器クラミジア、淋菌(りんきん)感染症、淋病、ヘルペス、梅毒などのいろいろな病気にかかる可能性があるので要注意。現代はオーラルセックスの時代と言われています。口の中や咽頭は、性感染症の温床となるのです」(尾上医師)。

ある20代男性会社員は6日前、風俗店でオーラルセックスをしたその2日後に、ペニスと亀頭部が赤くただれたようになっていた。
痛みやかゆみをともない熱もあったため受診した。性器ヘルペスに感染していた。
別の男性は、オーラルセックスの後、亀頭部の症状に加えて、尿道からもウミが出て受診。
性器ヘルペスと淋病の同時感染であることがわかった。
女性から男性へ、男性から女性の性器へと広がる性感染症。
男性の唾液を通じて臀部(でんぶ)や乳房へ性器ヘルペスウイルスが感染した女性の場合、乳頭から乳輪にかけて赤いただれ(びらん)が多発し、ズキズキとした痛みもあった。

ある30代の男性会社員は、風俗店でオーラルセックスを体験したのが5日前。
その3日後からペニスが腫れて痛くなった。
おしっこをする際に痛みがあり、下半身には違和感、発熱もあった。
診察したところ、包皮が大きく腫れ、潰瘍やびらんで荒れた上体であった。
尿検査で淋菌とクラミジアが感染を示す「陽性」だった。

「性器ヘルペスの初感染と淋病、クラミジア性尿道炎と、オーラルセックスによる“ハットトリック”。まさに『口は災いのもと』です」(尾上医師)。

(日刊スポーツより許可を得て掲載)