B型・A型肝炎・コンジローマワクチン
ご存じですか?
尖圭コンジローマやB型肝炎など、性感染症の中には、
ワクチンで予防できるものがあります。
ワクチンで予防できる性感染症
性感染症の予防の基本は、コンドームを使うことですが、コンドーム以外にも予防方法があります。
性感染症の中でも、B型肝炎・A型肝炎・尖圭コンジローマ(HPV)はワクチンで予防できます。「セックスの頻度が高い」「職業上、リスクが避けられない」という方は、予めワクチンを打っておくのも一つの方法です。
各ワクチンの費用
ワクチンの費用
項目 | 費用 |
B型肝炎ワクチン | 7,000円(税込7,700円) |
A型肝炎ワクチン | 8,000円(税込8,800円) |
コンジローマワクチン | 17,000円(税込18,700円) |
※それぞれ1回分の費用です。
B型肝炎ワクチンについて
B型肝炎ワクチンの効果
B型肝炎ワクチンの効果は、若いほど高い傾向にあり、40歳未満の92%、40歳以上では84%の方で基準以上の抗体価を獲得できます。
B型肝炎ワクチンの接種スケジュール
期間をあけて、3回接種します。3回目の接種から1~2ヵ月後に、抗体ができたかどうか検査します(HBs抗体測定)
※HBs抗体検査:4,400円(税込)
副反応について
接種した部分の痛みや腫れ、赤みなどの、ワクチン接種による一般的な副反応以外には、重篤な副反応はほとんど無いとされています。
A型肝炎ワクチンについて
A型肝炎ワクチンの効果
口から感染する、A型肝炎ウイルスの感染を防ぎます。 感染経路は、衛生環境の悪い地域の生水や海産物からの感染の他、性行為ではオーラルセックスやリミングなどに感染リスクがあります。 3回の接種で100%の抗体を獲得することが可能です。
A型肝炎ワクチンの接種スケジュール
期間をあけて、3回接種します。
副反応について
倦怠感や疼痛などがありますが、重篤なものは報告されていません。
コンジローマワクチン(※)について
※HPVワクチン(4価)です。
コンジローマワクチンの効果
尖圭コンジローマの原因であるHPV(ヒトパピローマウイルス)6・11型の感染を防ぎます。その他、子宮頸がんの原因(HPV16・18型)や、肛門がん、咽頭がんの予防にも効果があるとされています。
コンジローマワクチンの接種スケジュール
期間をあけて、3回接種します。
副反応について
接種した部分の痛みや腫れ、赤みなどの比較的軽度な副反応が、約90%の方に認められます。極稀に、重い副反応(アナフィラキシー、気管支痙攣、蕁麻疹)、ギランバレー症候群、血小板減少性紫斑病、急性散在性脳脊髄炎が報告されています。
このワクチンは、かつて子宮頸がんの予防において、副反応の問題がメディアで取り沙汰されたため、厚労省が接種勧奨を差し控え、日本の接種率が1%を下回る状況になりました。
その後、ワクチンの安全性や有効性に関する様々なエビデンスが積み重ねられ、2022年4月から対象者への積極的勧奨を再開しました。
よくあるご質問
- 複数のワクチンを同時に接種することはできますか?
- はい、可能です。接種箇所は、それぞれ違うところに接種します(例えば右腕と左腕など)。
- コンジローマワクチンは、すでに性行為の経験がある人や、コンジローマを発症したことがある人でも、有効ですか?
- 基本的には、性交渉を経験する前に接種することが勧められていますが、性交渉の経験がある人にも一定の効果が期待できます。HPVには様々な型があり、尖圭コンジローマの原因となるのは、主に6・11型です。感染・発症したことがある人でも、まだ感染していない型のHPVを予防するという意味で、ワクチンは有効と考えられます。
- コンジローマワクチン(HPVワクチン)は男性も接種できますか?
- はい、男性も接種できます。 コンジローマワクチンは「HPVワクチン」として知られ、子宮頸がん予防のイメージがあるかもしれません。 HPVワクチンには3種類(2価・4価・9価)あり、そのうち4・9価のワクチンは、子宮頸がんだけでなく、尖圭コンジローマや咽頭がん、肛門がんも予防できます。4価ワクチンについては、2020年12月に男性への接種が承認されています。
- B型肝炎ワクチンの3回目接種の後の検査は、必ず受けたほうがいいですか?
- 基本的に皆さんにおすすめします。B型肝炎ワクチンは、3回接種しても一部の方で抗体がつかないことがあります。その場合は、追加のワクチン接種が必要となりますので、3回接種後に、抗体がついたかどうかを調べるHBs抗体検査を受けてください。
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