日刊スポーツから取材を受け、性感染症について様々なお話をしました。
18日間に渡って掲載していただきましたので、順次ご紹介していきます。

水疱に注意「性器へルペス」  

早期発見、早期治療
性感染症に気をつけろ

水疱に注意「性器ヘルペス」

「性器ヘルペス感染症は、ヒト単純性疱疹(ヘルペス)ウイウス1型、または2型による感染です。初感染で非常に激しい症状が出るのが特徴です」
と話すのは性感染症に詳しい「プライベートケアクリニック東京」名誉院長の尾上泰彦医師。

原因はヘルペスウイルスが皮膚や粘膜にある小さな傷から侵入、増殖する。潜伏期間は2~10日間。
男性器では亀頭や陰茎(ペニス)に多くみられる。

「皮膚粘膜症状が出てくるとウイルスが排出されるため、他人にも感染させます。しかし、性器ヘルペスはこうした症状だけの病気ではありません」(尾上医師)

「初感染」で性器にかゆみや違和感を伴う1~2ミリの水疱(水ぶくれ)が複数現われる。
その後、水ぶくれが破れ、痛みのある浅い潰瘍を形成する。
感染したときに症状がなくても後で発症することがある。

「ウイルスがどんどん増殖すると、皮膚から下の神経を伝って神経節の中で潜伏します。神経節からはウイルスのDNAが検出されます。こうした潜伏感染のため、性器ヘルペスの本体は、皮膚粘膜の病気ではない“神経のウイルス感染症”だと言われるのです」(尾上医師)

女性の場合も、性器ヘルペスでは痛みやかゆみ、発熱、ぼうこう炎のような症状、そけいリンパ節の腫れなど、激しい症状が特徴だ。

「大小それぞれの陰唇の潰瘍やびらんに注意しましょう。子宮膣(ちつ)部にもびらんが形成されることがあります。男性に比べて粘膜部が広い女性のほうがリスクは高いのです」(尾上医師)

免疫力を低下させる女ホルモンの影響で、妊婦や排卵後は感染しやすいという。

(日刊スポーツより許可を得て掲載)